経営セーフティ共済信者が絶対に言おうとしない本当の効果 - あなたのファイナンス用心棒 吉澤 大 ブログ

あなたのファイナンス用心棒 吉澤 大 ブログ ホーム » スポンサー広告 » ほぼ月刊ワンポイントアドバイス » 経営セーフティ共済信者が絶対に言おうとしない本当の効果

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

経営セーフティ共済信者が絶対に言おうとしない本当の効果

スクリーンショット 20130317

タイトルは、ホッテントリメーカー作なので・・・

■取引先が倒産しても連鎖倒産を防ぐための保険が必要

得意先が倒産をした場合、自社の資金繰りには大きな影響を与えます。

あてにしていた売掛金の入金がなく手形が現金にならない上に、
既に裏書や割引の依頼をしていた手形について買い戻しを求められ、
さらに、今後その得意先からの売上もなくなってしまいます。

そのため、資金繰りは急激に厳しくになり、
手持ちの資金だけでピンチを乗り切るのはむずかしく、
最悪の場合には連鎖倒産ということにもなりかねません。

そうならないよう、銀行に不足資金の融資を申し込むのですが、
銀行としても連鎖倒産のリスクのある会社に対して、
積極的に融資をしようとはまず思いません。

そのような状況を救う目的で中小企業基盤機構が運営をしている
「経営セーフティ共済」というものがあります。

本来は連鎖倒産防止の為のこの制度が「節税になる」と紹介されることがあります。

今回は、巷で言われるこの経営セーフティ共済の節税効果とやらを
じっくり考えてみたいと思います。



■そもそも経営セーフティ共済ってどんなものなの?

経営セーフティ共済は月額最高20万円、合計で800万円まで掛けられます。

この共済に加入していると無担保で掛金合計額の10倍
(上限は8000万円)まで借入ができます。

返済は融資金額により5-7年間の均等返済、無利息ですが、
借入を利用すると融資金額の1/10の金額が積み立てた掛金から控除されてしまいます。

一定期間以上掛金を積んでいれば掛金以上のお金が戻ってくるはずなのに
その戻ってくる金額が減額されるのですから、積み立てたお金から
利息を支払っているのと同じです。

この共済の本来の目的は、取引先が倒産した時にスピーディな
融資を行うことで連鎖倒産を防ぐというこのです。

しかし、実際には意外と融資までの時間が掛かることが多いのです。

そのため、この共済による融資がされるまでの間、
この経営セーフティ共済からの融資で返済することを条件に
民間金融機関からつなぎ融資を受けることも多いのです。

連鎖倒産のリスクがあり、銀行が融資に躊躇するからという
理由で出来た制度なのですが、そこはお役所仕事。

これでは、本末転倒のような気もしますが、連鎖倒産の危機にある会社でも
無担保・無保証で銀行から融資の道が開けるのですから良しとしましょう。

■全額損金で、一定期間経過後は掛け金以上にお金が帰ってくる

(1)将来赤字になったときのため、今期の利益をプールしておきたい

この経営セーフティ共済の掛金は全額損金となります。

一方で、40ヶ月以上掛金を積んでから解約をしても
掛金以上の解約手当金を受け取れます。

その点では、この共済での資金運用は利息のつかない定期積金のようでもあります。

しかし、定期積金と違い、その掛金は支払時に損金となります。

定期積金のようにお金を積みながら損金になるので、
この「経営セーフティ共済は節税になる」という話になるわけです。

しかし、支払い時に損金になるということは、解約してお金が戻ってきた時には
益金となり、利益に加算されて税金がかかります。

つまり、税金の支払い時期が現在から未来にズレるだけのことです。

ですから、税金額を軽減するという意味での「節税」効果はなく、
あるのは、税金の支払期限を延期する「延べ税」効果だと言えます。

同様の効果があるものに、生命保険金を活用した節税プランがあります。

その中に、経営セーフティ共済と同じように一定期間掛け金を負担することで、
掛け金以上の解約返戻金を得ることが出来るものもあります。

詳細は省きますが、いわゆる「ハーフタックス」と言われるもので、
掛け金の1/2が損金となります。

同じ金額を支払うのであれば、掛け金の1/2が損金になるよりも
掛け金全額が損金になるほうが、その延べ税効果が大きい。

ですから、ハーフタックスの生命保険に加入するくらいならば、
まずはこの経営セーフティ共済のほうが有利ということになります。

しかし、そもそもなんで税金の繰延べをしなくてはならないのでしょうか。

別に税負担が減るわけでもありません。

むしろ、経営セーフティ共済に加入することで確実に手許のお金は少なくなります。

「いや、別に解約すればお金は帰ってくるし、その時に赤字であれば、
その赤字と解約返戻金が相殺されて税金がかからない」

そんな説明がされます。

確かにそうではありますが、掛け金を超えて解約返戻金が帰ってくるのは
掛け金をかけてから40ヶ月以上たってからです。

逆に言えば、40ヶ月未満であれば、解約返戻金は掛け金を下回ります。

そんな資金を、本当に「いつでも使えるお金」と言っても良いのでしょうか?

また、解約時に赤字であるというもの不確実ですし、
経営セーフティ共済に加入していなかった場合の赤字は
繰越欠損金としてその後9期間に渡り利益と相殺され税金が軽減されます。

もちろん、その後確実に利益が出る保証はありません。

つまり、経営セーフティ共済の加入効果は、税負担軽減効果ではなく、正確には
「将来赤字になった時にその赤字を早く解消し、
繰越欠損金が期限切れになるリスクを軽減できる」という効果になるわけです。

連鎖倒産防止の本来の目的のために加入をするのであれば良いですが、
必要額以上に資金を寝かせてまで得られるメリットとしては
ちょっと弱いのではないでしょうか。

要するに、単純に「将来赤字になった時のために、今期の利益をプールしたい」
という理由での経営セーフティ共済への実需額以上の加入は、
あまり合理的ではない気がするのです。

(2)将来使用目的のある資金の備蓄のため

将来、建物や機械などの大きな修繕をする場合、その時に多額の修繕費という
費用が発生します。

同じような利益水準であると、その期だけ利益が小さくなり、場合によっては
赤字になるということもあるでしょう。

そのため、この経営セーフティ共済で毎期の費用としていけば、
修繕をする時よりも前に費用の先取りをすることができ、利益も平準化できる
ことになるわけです。

このことは、私も書籍などで今まで記載をしてきました。

しかし、よく考えると、修繕があった時に修繕費を支払うよりも、
経営セーフティ共済に毎期掛け金を支払うほうが、先にお金が
出て行ってしまうことになります。

要するに「修繕費を先払い」しているようなものでしょう。

会社にできるだけお金を残す基本は
「入金はできるだけ早く、支払いはできるだけ遅く」ということです。

そう考えると、わざわざ、お金を先払いするメリットって
一体なんだろうかと。

利益を平準化したいというのであれば、必要な修繕費の額を
それまでの期間で割った金額を毎期、修繕引当金のような形で
経費にすることでも可能になります。

もちろん、税金上損金として認められていないのであれば、
その分税金を支払うことになりますが、その分、実際に修繕をした時の
税金が減るのでトータルの税負担には何の影響も与えません。

「いや、その修繕にかかる資金を今から積み立てておくのに、
定期積金であれば損金にならないのに、この経営セーフティ共済であれば
損金にしながら積立が可能になる」

確かにそうです。定期積金で積むよりも、経営セーフティ共済の掛け金分だけ
利益が小さくなるので税金の支払額は小さくはなります。

例えば450万円の修繕費の準備を5年間でするならば、
年間で用意すべき金額は90万円となります。

経営セーフティ共済であれば、毎期90万円ずつ掛け金を
かけておけば5年後には450万円以上の解約返戻金が戻ってきます。

一方、これを定期積金で用意しなくてはならないのであれば、
税引き後の利益で90万円をプールしなくてはなりません。

仮に税率を40%とすれば、90万円÷(1-0.4)=150万円
が税金込みの金額になります。

それが5年間となると750万円。

つまり、定期積金で750万円用意するのと同じことが
経営セーフティ共済であれば450万円の掛け金だけで実現できることになるのです。



って、なんかおかしくないですか?

これは、明らかにおかしい。

というのは、修繕費による税金の負担軽減効果が全く考慮されていません。

修繕費に450万円の支払いをした場合、その期に450万円の損金となります。

しかし、経営セーフティ共済に加入していた場合、
450万円の解約返戻金とこの修繕費が相殺されるため税金の負担軽減額は0円です。

一方、定期積金で準備をしていた場合には、その修繕費450万円が損金になるので、
その40%である180万円(450万円×40%)だけ税金の支払いが少なくて済みます。

ですから、元々定期積金として積むべき金額は
修繕費の450万円ではなく、そこから税負担軽減額の180万円を
差し引いた270万円となります。

この270万円を5年で割ると年間54万円。

これを税引き後の利益で用意しなくてはいけないので、税金込みだと
54万円÷(1-0.4)=90万円となります。

どこかで、見た数字ですね。

そうです、経営セーフティ共済の掛け金90万円と全く一緒です。

つまり、定期積金で税負担軽減額を差し引いた金額だけ積み立てれば、
別に資金繰り上は経営セーフティ共済に加入した場合と一緒であり、
「税引き後の利益で積立をしなくてはならない定期積金より
損金にしながら積立の出来る経営セーフティ共済のほうが有利」というのは
どうもおかしな説明だということになるのです。

もちろん、その修繕をしたことで赤字になってしまうこともあるでしょう。
その場合には、その赤字は繰越欠損金として(以下省略

要するに、やっぱり、経営セーフティ共済の加入効果は、節税効果ではなく、
「将来の支出で赤字になった時にその赤字を早く解消し、
繰越欠損金が期限切れになるリスクを減らす効果」であるということになるのです。

まあ、そうはいっても、経営セーフティ共済のような帳簿外の資産で
将来の支出のための資金を備蓄するというのは、解約もしづらいがゆえに
確実にお金が溜まっていると言うメリットがないわけではないです。

その分、困った時にも、お金は使いづらいということになるわけですが。

このあたりは、当然トレードオフ(二律背反)にならざるを得ません。

その点を理解して、定期積金だとつい下ろしてしまうけど、
経営セーフティ共済で毎期損金にしながら将来の支出の準備をするほうが、
必要なときにお金が溜まってなかったということになりにくいので
安心だという方は、それでもよいでしょう。

それに、どんなに説明しても節税という言葉の「魔力」はすごいもので、
なんとか今期の税金を減らしたいという気持ちもわかります。

おかしな金融商品に加入して目減りをするよりは、
この経営セーフティ共済のほうが目減りする確率は低いので、
どうしても今の納税額を減らしたいというのであれば、
加入をしてみてもいいんじゃないでしょうかね。

ということで「目的外の保険商品への加入はあまり合理的ではない」
という一行ですむような話を長々と検証してみました。

最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございました。

つぶれない会社に変わる! 社長のお金の残し方
つぶれない会社に変わる! 社長のお金の残し方


<関連記事>

節税をする前にこれだけは読んで欲しい!世に言われる節税を3つにわけてみると


【濃縮エッセンス】実務から生まれた即効性のあるスキルをお届け!

クローズド勉強会音源ファイル


コメント
非公開コメント

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

2015-03-09 18:46 │ from URL

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

2015-04-30 18:03 │ from URL

トラックバック

http://yoshizawaacc.blog37.fc2.com/tb.php/947-17e7a20f

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。