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相続税法改正で誰にどんな影響があるのか?

■いよいよ相続大増税時代到来?

衆議院選挙で遅れていた平成25年度税制改正大綱が昨夕やっと発表されました。

民主党時代のような「素人がやっているうちに在庫一掃してしまおう」
と財務官僚が考えたのではないかと思うほどの大改正のオンパレードではなく、
それほど大きな改正はないようです。

さて、その中で、以前からの懸案事項でもあった相続税の基礎控除縮減と
税率アップが行われました。

おそらくもうしばらくすると、「相続大増税時代〜納税義務者が一気に1.5倍に!」
なんて煽りまくる経済誌やセミナーが一杯出てくることでしょう。

ここでは、その前に今回の相続税の改正が本当のところ、
誰にどんな影響を与えるのかを考えていきたいと思います。
■税制改正されても、普通の人にはほとんど関係なし

まず、最初に申し上げたいのは、
相続税というのは普通の人には関係のない
「特殊な人」の税金だということです。

所得税、法人税、相続税を国税三法などと
呼ぶこともあり、相続税が税収の柱の1つであるかのようにも思えます。

しかし、国税・地方税収全体に占める相続税の割合はわずか1.8%で、
酒税と同じくらいしかありません。

国税・地方税の税目・内訳

さらに、バブル期に「世田谷に家が一軒あるだけなのに、
相続税の納税のために家を手放さなくてはならなくなった」
などとマスコミが煽ったため、多くの人がこの相続税に関心を持っています。

そのためか、私が市役所の税務相談会の当番をさせて頂く時でも、
相談に来られた方の95%くらいの人は相続税についての相談をされるのです。

しかし、既に200人以上も相続税の税務相談に応じさせて頂きましたが、
市役所の税務相談に来た方の中に相続税の納税義務のある人は一人もいませんでした。

要するに、多くの普通の人までも相続税が大変だと思い込んでいるものの、
実際にはそれらの人には全く関係のない税金だということなのです。

こちらのデータからもわかるように、相続税が課税されている人というのは、
お亡くなりなった方全体の4%程度しかいません。

相続税の課税割合及び相続税・贈与税収の推移

今回の基礎控除縮減で、その納税者の割合が6%程度に増えると試算されています。

そこで、納税者が一気に1.5倍!=相続大増税時代となるわけですが、
やっぱり94%の人には無縁の税金であることには変わりはないのです。

■新たに相続税の対象となってもそれほどの影響はない

さて、相続税というのは無くなった方が残した
(プラスの財産ーマイナスの財産の金額)=純財産に対して課税がされます。

しかし、その差額に全て課税がされるわけではありません。

基礎控除というのがあり、その金額を超えた部分についてのみが
相続税の対象となります。

その基礎控除額以下しか純財産が無ければ相続税は課税されないということですね。

今回の改正では、この基礎控除額が縮減されたわけです。

具体的には

現行の基礎控除額

 =5000万円+1000万円☓法定相続人の数

改正案の基礎控除額

 =3000万円+600万円×法定相続人の数

となります。

例えば、法定相続人が子供3人だというのであれば、
基礎控除額は、従来8000万円だったものが、この改正により4800万円に
なるということ。

そのため、これまでは納税義務がなかった
純財産が8000万円から4800万円超までの人にも
新たに相続税の納税義務が生じるわけです。

では、それらの相続では、どのくらいの相続税を納税しなくてはいけないのでしょうか?

例えば、純財産6000万円の人であれば、
今回の改正により120万円の相続税を支払うことになります。

3人で相続をするのであれば、一人40万円の納税です。

大したことがないとは申しませんが、
相続税のために自宅を売却せざるを得ない
というほどの金額でもないはずです。

純財産6000万円というのはかなり裕福な方だと言えます。

というのも、ほとんどの方は純財産の大半が自宅であり、
その自宅については一定面積まで実際の時価から
80%も減額した金額で評価がされます。

その次に金額が大きいと思われる生命保険金と退職金についても、
それぞれ500万円☓法定相続人の数だけ非課税枠があります。

それらを差し引いた上でも純財産が6000万円となると
相応の金融資産を持っていることが多いはずです。

それであれば、相続した金融資産で十分相続税の納税はできるでしょう。

また、この辺りの税額であれば生前に財産を子供に移転するなどの対策をすると、
むしろ移転コストが掛かってしまうこともあるかもしれません。

特に不動産などを移転させるためのコスト(不動産取得税、登録免許税等)は
生前に移転するよりも相続時に移転したほうがはるかに安くなるのですから。

ですから、この辺りの層の方はセンセーショナルな情報に煽られることなく、
慎重な対応が望まれるといえるでしょう。

■富裕層にはかなり厳しい影響が予想される

今回の改正の影響が大きいのは、やはり財産の多い人の相続です。

私どもが相続税の申告をさせて頂くことの多い純財産2億円程度の
人が亡くなった場合、同じように相続人が子供3人だとすると、
1800万円から約2460万円へと約600万円も今回の税制改正により
相続税が増えることになります。

当然この影響は、より純財産が多い人のほうが大きな影響を受けます。

さらに、純財産が多い層の税率も上がっているため、
かなりの相続税負担増になることが予想されます。

純財産がすべて金融資産であれば、いくら税金が高くても納税自体はできるでしょうが、
不動産などが多いとなるとその納税も相当大変になるはずです。

他人から見れば、多額の遺産を相続するというのは、羨ましい限りでは
ありますが、なかなか大変なようですね。

まとめると、今回の相続税の改正は

・納税義務者が全体の4%から6%へと増えるが、普通の人にはどちらにしても関係がない
・新たに納税義務が発生する人もわざわざ大掛かりな生前対策をするほどの負担ではない
・遺産の多い人は基礎控除縮減と税率アップのダブルパンチ

ということを理解しておいていただきたいものです。

ただし、仮に遺産が少ない人でも相続というものは大変な労力を必要とします。

むしろ、分けるべき遺産が少ないほうが遺産分割協議はもめがちです。

こちらは、必要がないと思う時にこそ早めに準備をして頂きたいものです。

本当に必要になってしまっては、絶対に間に合わないのですから。

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