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【相続特集】なぜ、隣の相続はあんなにもめたのか-13:「共有」は「共憂」になりやすい

「なあ達也、この家は俺たち二人で守っていこう」

最愛の母が亡くなった時、
思い出の詰まったこの家は双子である
私たち達也・和也が半分ずつ相続していくことにした。

双子とは、不思議なものだ。

弟の和也が右足のけがをした時には、
別の場所にいた私もなぜか右足のけがをしたことも。

まさに、一心同体。

その思いは、両親が亡くなって以降
いっそう強くなった。

母が亡くなった時に、自宅を兄弟共有としたのも、
自然なことだったのだ。


しかし、そんな関係もあることで
終止符を打たれることになった。

二人が同じ女性を好きになってしまったからだ。

同じ遺伝子を持つもの同士、
女性の好みまで同じだったのも当然のことかもしれない。

1年後、その女性は私の妻になった。

私たち夫婦と和也が同じ屋根の下に住むことは出来ない。

母から相続した家には私たち夫婦が住み、和也は出て行った。

しかし、私たち夫婦がこの家に住んだ期間は
決して長いものにはならなかった。

独立して事業資金が必要になった和也が
「この家を売却する」と主張しはじめたからだ。

若夫婦に家の持分を買い取る資金はない。

再三にわたる話し合いも実ることはない。

複雑な感情も絡み、関係は悪化していった。

結果的に、両親と兄弟の思い出の詰まった
この家を手放すことになったのだ。

一心同体と思っていた双子がそれ以後
絶縁になるという傷跡を残しながら。

* * *

ひとつの財産を複数の人で
所有することを共有といいます。

しかし、この共有は「共に憂う」という意味
での「共憂」といわれるほど問題の温床となりがちです。


例えば「兄弟平等に」という思いで、
ひとつしかない自宅を兄弟で半分ずつ
の共有にしたとします。

兄弟の仲がよければ、
この時点ですぐにトラブル発生するわけでありません。

しかし、人間どこでトラブルになるかわかりません。

兄弟仲が急に悪くなったり、
どちらかが急にお金が必要になり
処分しなくてならなくなった時などには、
必ずしも二人の意見が同じとは限らないのです。

さらに、子供や孫の世代になったらどうでしょう。

相続人もさらに増えており、
共有者全員の意思が統一されているほうが
むしろまれになるはずです。

その結果トラブルの温床となりやすいので、
出来るだけ共有は避けたいものです。

「相続税の節税のためにどうしても
共有にしなくてはならない」と言う場合でも
「配偶者と同居の子供」の共有までが限界でしょう。

「兄弟間での共有は、まずはやらない」
という姿勢で遺産分割を考える必要があるのです。



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