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【相続特集】なぜ、隣の相続はあんなにもめたのか-4:事業承継ギャップ

相続における三大意識ギャップその3:事業承継ギャップ

「オヤジの作った小さな町工場を『地域ナンバーワン』
とも言われる精密機械会社にしたのは俺の力だ」

株式会社マツダ専務、松田博之には、その自負があった。

事実、職人気質の父松田博一のワンマン経営
だった会社に論理的な経営システムを導入することで、
「家業から企業へ」と脱皮させたのは
明らかにの博之の功績によるものだった。

一方で、博之は徹底的に父を立て続けた。

肩書きは実権を握りながらも専務。

経費を湯水のごとく父に対し、
博之は「給料取り」に徹したのだ。



「生涯現役」が口癖の博一もさすがに寄る年波には勝てない。

七十五歳になったのを機会に社長を退任し、
博之を社長にすると自ら言い出したのだ。

それに際し、将来の揉め事をなくすため、
自分の遺産をどう分けたいかについて
家族会議を開きたいということらしい。

博之の胸は脇躍った。

別に社長に就任出来るからではない。

父がいよいよ自分のことを認めてくれる日が来た
と実感出来たからだ。

翌週の日曜日、博之と既に嫁いだ三人の姉、
そして母が一堂に会した。

家族兄弟全員が揃って食事をするのは、
何年ぶりだろうか。

食事も済み、和やかな雰囲気の中、
博一はおもむろに口を開いた。

「わざわざ、みんなに集まってもらったのは他でもない」

「そろそろわしも引退し、
博之に会社の跡を継いでもらおうと思っている」

「ついては、一緒にわしの遺産をどう分けて
欲しいかをみんなに伝えておこうと思ってな」

「わしが死んだ後も、母さんの面倒は見て欲しいし、
何よりも兄弟仲良く暮らして欲しいからな」

父が自分を認めてくれていると言う実感で、
知らず知らずのうちに博之の顔は紅潮していた。

「まず、マツダの株式はすべて博之に相続させたい。
これはみんな納得してくれることだろう」

松田家は博一の自宅も含め、
ほとんどの財産が会社名義になっている。

その株式の全部を博之が相続すると言うことは、
大半の財産を博之が相続すると言うことを意味する。

それらの財産の大半は「自分の努力の結晶でもある」
と考えている博之にしては、
当然のことと思いながらも、
「今までの自分の努力をきちんと父が見てくれていた」
という思いで感慨ひとしおだった。

しかし、そんな思いは、
予想外の父の一言で打ち砕かれたのだ。

「そうはいっても、わしにとって
子供は全く同じようにかわいいものだ」

「だから財産を子供達で四等分できるよう、
博之は姉さん達に後日会社の稼ぎの中から
現金を渡してやってくれ」

博之は、みるみる青ざめた。

「チョ、チョット待ってくれ。」

博之は動揺した。

多額の現金を支払わされるということにではない。

父が「自分の努力を何も会社経営にタッチしていない
姉たちのものと同じだ」と理解していたことにである。

「何だよ四等分って。
あの会社は俺の努力があったからこそ、
今の会社になったんじゃないのか!」

三十五歳で父に請われて入社して以来、
父に対して敬語で話し続けた博之は
震える声で父に叫んだ。

その今までにない博之の姿に気色ばんだ
博一は、こうきり返したのだ。

「何を言っているんだ。
あのままサラリーマンをやっていたって
お前はせいぜい課長止まりだったろう。
それを若くして専務にしてやったのに
なんだ、その態度は!」

* * *

「親子間の意識のギャップ」

これは、中小企業の事業承継の場面でよく見られます。

事業を引き継ぎ一緒に会社を運営していた子ども
から見ると「名義は親父であっても、あの財産の一部は
自分が貢献してできたもの」という自負があります。


ところが親からしてみれば
「自分の事業を継がせてやった。
ゼロからこの事業を自分でやるよりははるかに恵まれている」

というように考えがちです。

このように親子間でも相続に関してギャップがあるのです。

そのため、このような「意識のギャップ」を埋めることなく、
相続が発生してしまうと、
事業承継者とそれ以外の人の間で
遺産分割に関する争いごとが発生しがちなのです。

さて、これらの「意識のギャップ」
はなぜ生まれるのでしょうか。

それは、「自分の努力は高く評価し、
他人の努力は低く評価しがち」という
人間の特性そのもののためです。

つまり、遺産相続のトラブルは
決して隣の家の揉め事ではありません。

誰にでも起こる可能性がある。

それが遺産相続トラブルなのです。


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