2006年01月05日 20:22
−パート収入を103万円以下にすることの意義−
●いわゆる「103万円」の壁とは?
年末近くになると、パートの方達が「年収103万円を超えると扶養対象者になれないので休ませて欲しい。」と言いだし、経営者が頭を痛めると言うことは毎年の風物詩のようになってきましたね。
俗にこれは「103万円の壁」とも言われ、中にはこれが「女性の社会進出を妨げている」とまで言う方もいらっしゃいます。
多くの方が、「奥様の給与収入が103万円を超えるとご主人の所得について配偶者控除が適用出来ないため、かえって夫婦合計の手取額が減ってしまう」とお考えのようですね。
確かに、そういう場合もありますが、奥様の給与収入が103万円を超えると必ず夫婦合計の手取額が減ってしまうと言う訳ではありません。
そこで今回は、どのような場合に「103万円の壁」が存在するのかについて検討してみることにします。
●いわゆる「103万円」の壁とは?
年末近くになると、パートの方達が「年収103万円を超えると扶養対象者になれないので休ませて欲しい。」と言いだし、経営者が頭を痛めると言うことは毎年の風物詩のようになってきましたね。
俗にこれは「103万円の壁」とも言われ、中にはこれが「女性の社会進出を妨げている」とまで言う方もいらっしゃいます。
多くの方が、「奥様の給与収入が103万円を超えるとご主人の所得について配偶者控除が適用出来ないため、かえって夫婦合計の手取額が減ってしまう」とお考えのようですね。
確かに、そういう場合もありますが、奥様の給与収入が103万円を超えると必ず夫婦合計の手取額が減ってしまうと言う訳ではありません。
そこで今回は、どのような場合に「103万円の壁」が存在するのかについて検討してみることにします。
●103万円を超えると夫婦合計の手取りが減少する?
確かに奥様の給与収入が103万円を超えた瞬間に、ご本人には所得税の納税義務が発生するとともに、ご主人の所得について38万円の配偶者控除は利用出来ません。
それじゃ「私が1万円余計に稼いだとしても、私と夫の税金増加分が1万円以上になるから損じゃないの!」
まあ、落ち着いて下さい。
確かに奥様の給与収入が103万円を超えた瞬間に、「配偶者控除」が利用出来なくなります。しかし、代わりに「配偶者特別控除」という別の控除が使えることになるのです。
「配偶者特別控除」は最高38万円から奥様の所得に応じて5万円刻みで減少していきます。この配偶者特別控除を利用することによって税負担が緩やかに増加することになるため、結果的には、「夫婦合計の手取額がかえって減るようなことにはならない」のです。
ただし、例外があります。それは、この「配偶者特別控除」の適用要件が「合計所得金額1,000万円以下」となっているからです。
つまり「ご主人の給与収入がおよそ1,230万円以上」となると、急激な税負担を防ぐための配偶者特別控除が利用出来ないため、奥様の給与収入によっては、夫婦合計の手取額が減るという現象が発生する可能性もあるのです。
つまり、税務上は、「ご主人の給与収入が約1,230万円以上の人は、103万円の壁は存在する。そうでない方は103万円の壁などない」と言うことです。
結構、誤解をしていた人も多いのではないでしょうか。
●思わぬ所に「103万円の壁」が!
「ご主人が高給取りでない限り、103万円の壁なんてものはないんですよ。」と申し上げました。
ところが、これはあくまでも税務上の話。本来税法の規定である扶養対象者の考え方が実社会では思わぬ影響を与えている場合があるのです。
一番大きいのは、会社が支給する「家族手当」なのです。全く理由はわからないですが、結構多くの会社で「奥さんが控除対象配偶者であれば月額数万円の家族手当を支給するが、それ以上稼いでいる場合には支給しない」としているのです。
一体、手当支給と103万円に何の因果関係があるのでしょうか。そのような奥様を雇用する事業主としては本当に迷惑な話ですね。(^^)
このような場合には、奥様の給与収入が103万円の時と104万円の時では、圧倒的に夫婦合計の手取額は前者の方が多く、奥様にとっては、「嫌な社長の顔を見ながら頑張って働いたら、家計が苦しくなった」なんてことも起きてしまうのです。
この他にも公営住宅の入居要件や保育園の園費なのが所得に関連して増減する場合もあります。要するに、実は「103万円の壁」とは税務上の問題ではないと言うことなのです。
●所得がかえって少なくなる本当の壁は130万円!
実は、「103万円の壁」よりも大きな壁があります。それは「130万円の壁」です。
ご主人が会社員の場合、専業主婦である奥様の健康保険料や年金負担額については実質的に発生しません。ところが、奥様が「年収130万円を超えた」瞬間から「ご自身が被保険者となって国民健康保険・国民年金に加入する義務」が発生するのです。
国民健康保険料等を十分負担出来るほどの稼ぎがあれば別ですが、130万円をわずかに超えた程度では、給与の増加分以上に国民健康保険料等が新たに発生するため、奥様の手取額はかえって減少することも十分あり得ることになります。
年間103万円ですと月額およそ85,000円、年間130万円だと月額およそ108,000円。
パートの方ですと、ちょうどこの間の稼ぎという方も結構いらっしゃるでしょう。
ね、そういう方は、今年からは、お願いですからちゃんと年末も仕事に来てね。(^^)
*あくまでも、ご夫婦ともに給与所得しかないものと仮定しています。不動産や配当等の所得が別途ある場合はご注意下さい。
また、正社員の3/4以上の勤務実態がある場合、その会社の社会保険加入義務が生じます。
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確かに奥様の給与収入が103万円を超えた瞬間に、ご本人には所得税の納税義務が発生するとともに、ご主人の所得について38万円の配偶者控除は利用出来ません。
それじゃ「私が1万円余計に稼いだとしても、私と夫の税金増加分が1万円以上になるから損じゃないの!」
まあ、落ち着いて下さい。
確かに奥様の給与収入が103万円を超えた瞬間に、「配偶者控除」が利用出来なくなります。しかし、代わりに「配偶者特別控除」という別の控除が使えることになるのです。
「配偶者特別控除」は最高38万円から奥様の所得に応じて5万円刻みで減少していきます。この配偶者特別控除を利用することによって税負担が緩やかに増加することになるため、結果的には、「夫婦合計の手取額がかえって減るようなことにはならない」のです。
ただし、例外があります。それは、この「配偶者特別控除」の適用要件が「合計所得金額1,000万円以下」となっているからです。
つまり「ご主人の給与収入がおよそ1,230万円以上」となると、急激な税負担を防ぐための配偶者特別控除が利用出来ないため、奥様の給与収入によっては、夫婦合計の手取額が減るという現象が発生する可能性もあるのです。
つまり、税務上は、「ご主人の給与収入が約1,230万円以上の人は、103万円の壁は存在する。そうでない方は103万円の壁などない」と言うことです。
結構、誤解をしていた人も多いのではないでしょうか。
●思わぬ所に「103万円の壁」が!
「ご主人が高給取りでない限り、103万円の壁なんてものはないんですよ。」と申し上げました。
ところが、これはあくまでも税務上の話。本来税法の規定である扶養対象者の考え方が実社会では思わぬ影響を与えている場合があるのです。
一番大きいのは、会社が支給する「家族手当」なのです。全く理由はわからないですが、結構多くの会社で「奥さんが控除対象配偶者であれば月額数万円の家族手当を支給するが、それ以上稼いでいる場合には支給しない」としているのです。
一体、手当支給と103万円に何の因果関係があるのでしょうか。そのような奥様を雇用する事業主としては本当に迷惑な話ですね。(^^)
このような場合には、奥様の給与収入が103万円の時と104万円の時では、圧倒的に夫婦合計の手取額は前者の方が多く、奥様にとっては、「嫌な社長の顔を見ながら頑張って働いたら、家計が苦しくなった」なんてことも起きてしまうのです。
この他にも公営住宅の入居要件や保育園の園費なのが所得に関連して増減する場合もあります。要するに、実は「103万円の壁」とは税務上の問題ではないと言うことなのです。
●所得がかえって少なくなる本当の壁は130万円!
実は、「103万円の壁」よりも大きな壁があります。それは「130万円の壁」です。
ご主人が会社員の場合、専業主婦である奥様の健康保険料や年金負担額については実質的に発生しません。ところが、奥様が「年収130万円を超えた」瞬間から「ご自身が被保険者となって国民健康保険・国民年金に加入する義務」が発生するのです。
国民健康保険料等を十分負担出来るほどの稼ぎがあれば別ですが、130万円をわずかに超えた程度では、給与の増加分以上に国民健康保険料等が新たに発生するため、奥様の手取額はかえって減少することも十分あり得ることになります。
年間103万円ですと月額およそ85,000円、年間130万円だと月額およそ108,000円。
パートの方ですと、ちょうどこの間の稼ぎという方も結構いらっしゃるでしょう。
ね、そういう方は、今年からは、お願いですからちゃんと年末も仕事に来てね。(^^)
*あくまでも、ご夫婦ともに給与所得しかないものと仮定しています。不動産や配当等の所得が別途ある場合はご注意下さい。
また、正社員の3/4以上の勤務実態がある場合、その会社の社会保険加入義務が生じます。
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コメント
ママさん税理士 | URL | -
本当に、社会保険の壁は大きいです!
「お給料の金額のわりに負担重すぎない」って思ってしまいます。
働き方を抑えてしまうのも気持ち分かります。
払っても払わなくても同じ保障というのは、やっぱり不公平感を生み出してしますのではないでしょうか。
( 2006年01月05日 11:21 [編集] )
K. I. | URL | -
誤解していることってマダマダありそうですね・・・執筆されている著書と同様、勉強になります。
( 2006年01月05日 15:03 [編集] )
Yoshizawa Accounting Office | URL | -
コメントありがとうございました。
ママさん税理士様
トラックバックもありがとうございました。
書籍は、おそらく当選です(^^)
K.I様
著書までご購入頂いたのですか。
本当にありがとうございます。
私も、K.I様のブログはチョイチョイ
見させてもらっています。
( 2006年01月07日 12:05 [編集] )
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